「ねえ、おじいちゃんってどんな声だったの?」
「孫は10年後にわたしの事、覚えてくれてるかしら・・・」
この事業を始めた切っ掛けは、自身の経験が深く関係しています。わたしが20歳の時に父が他界しました。その頃はまだ家庭用ビデオカメラなどは普及しておらず、手元にあるのは数枚の写真だけです。父の声はもちろん、覚えているつもりです。しかし今となってはその記憶が正しいのか確かめるすべはありません。年老いた母から聞く父の思い出話もその時で食い違ったりします。それはどうしようもないことは分かっているのですが、心に何かとげが刺さっている感覚がずっと残っていました。
わたしは幼いころからテレビマンになることが夢でした。その夢が叶い、担当する番組も視聴率を19%超えるなど、何も不満はありませんでした。しかし、とある山間部にアナウンサーと取材に出かけた時のこと。
あるお婆さんが「健康やとおもっていたけど、爺さんが先にいって・・・。孫はジイジの声、忘れたと。悲しいね」と話したのです。それからその言葉が離れず、刺さっていたとげが再び痛み出したのです。
終活カウンセラーの資格を取得し、ゴールデンエイジ・アクティブシニアの皆様と話すことも増えました。皆様が共通しているのは「老人扱いは嫌だな」というお気持ち。ごもっともです。だからこそ息子世代を代表していわせていただきます。「今だから残せるものありますよね!」
代表 久保正信
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